moonfishwater28’s diary

気がつくとわたしの心から音楽が奪われていた。取り返そうとするけれど、思い出すのは昔のレコードばかり・・・今はもう手元に無いレコードたちを思い出しながら記憶の隅に眠る音、内側を作る本の言葉を集めたい。

ハンナ・アーレント全体主義の起原    NHKテキスト100分で名著

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思うだけで「気が滅入ってしまう」ような集まりに出席しなければならないとき、ハンナ・アーレントの言葉を思い出す。複数性という言葉を。悪とはどういうものか?と考えざるを得ない、しかし、はっきりと言葉でもイメージでも表現できない。そんなときに書店で見かけた一冊。

複数性とは・・・人々の間には「間」が必要でそれは個々の人を結びつける絆であると同時に距離を設定するものでもある。この「間」において人々の価値観や考え方は相互に作用し、多様性を生み出すことができる。

 

自分の考えていることや信じ込んでいることが間違っていた場合、それを自分一人で考えて正すことはかなり困難です。複数の人と共に考えたとしても、同じ意見や考え方の人ばかりが集まっている場では、結局、同じものしか見ていないものです。物事を他者の視点で見るという場合の「他者」は、異なる意見や考え方をもっていることが前提となります。
「分かりやすさ」に慣れてしまうと思考が鈍化し、複雑な現実を複雑なまま捉えることができなくなります。
アーレントのメッセージは、いかなる状況においても「複数性」に耐え、「分かりやすさ」の罠にはまってはならない~ということであり、わたしたちにできるのはこの「分かりにくい」メッセージを反すうしつづけることだと思います。

 本そのものは「かなり難しい」と著書が触れており、分厚い政治哲学の本を買わなくてすんだ。要点だけをこの本で読めるのはありがたい限り。

・・・かくてわたしは「複数性に耐える」体質を学び、身につけるべく出かけて行った。

わたしを権威の上から見ていると思われる人の本当の姿は、まったく違った。重荷を背負いながらそれでも誠実に生きようとしている「弱さ」を見て、愕然とした。驚いた。

見破ってしまった。さあ、これからどうしよう。しばらくはまた、ああでもないこうでもない、と考えるしかない。わかっていることは、いつか結論が出る、ということだけだけれど。

youtu.be映画も合わせて観たい。けれど、今は覚え書きです。