moonfishwater28’s diary

気がつくとわたしの心から音楽が奪われていた。取り返そうとするけれど、思い出すのは昔のレコードばかり・・・今はもう手元に無いレコードたちを思い出しながら記憶の隅に眠る音、内側を作る本の言葉を集めたい。

エレファント・カシマシ

youtu.be

2年ほど前のことだが、私は、ある公共施設をたずねたあと、帰宅するための電車に乗っていた。隣の席に乗ってきたオバサンがしつこく話しかけてきて、対応するのに、ほとほと疲れた。自分の家の息子がどうの、娘がどうのと言っているが「嘘だなあ」と思えるところが随所にあり、適当に話を合わせているうちに、降りる駅をあやうく乗り越すところだった。「危ない危ない」~あたふたと電車を降り、「まさか、あのオバサン追いかけてこないよね?」と振り返り、電車が動き去るのを見届けてホッとしていた。その時、過ぎ去った電車の向こうに、乗り換えのためのガラガラの電車が停車している、そこにふらりと乗り込む「ほぼミヤジ」の姿を見かけた。

少し色の違う黒の上下。髪型と言い背格好と言い、歩く姿、後姿が「ミヤジ」そっくりだった。わたしはもう改札口を出る寸前であったから、「ほぼミヤジ」が「完全に本物だ」と確認できようもなかった。その頃、急にエレカシのファンぽい?自分を発見して間もない頃だった。うっすらと来月、コンサートがあるなあ、と思っていたくらいだ。ツアーで忙しいミヤジがその2週間も前にこんなド田舎に単独で独り、まったくの手ぶらで来るだろうか・・・・?来るだろうな。散歩好きだろうし、普段はあんまりドタバタする生活がそもそも好きじゃないだろうし。

バックひとつもっていなかったのも「ミヤジ」っぽさがある。

あのオバサンは「ミヤジ」の水先案内人だったのじゃないか?だいたい、あのオバサンに会わなければ振り返って電車が過ぎ去るまで見てなど居なかっただろうし。

明治時代の文学に吸い寄せられるように惹かれている私でもある。「ミヤジ」の好きな永井荷風森鴎外が、すぐそこに見える。やはり、エレカシくらいになると、その求心力たるや想像を絶するものなのかも。今になっても思い出すと「愉しい気分になる」~秋に行こうと思っている。