moonfishwater28’s diary

気がつくとわたしの心から音楽が奪われていた。取り返そうとするけれど、思い出すのは昔のレコードばかり・・・今はもう手元に無いレコードたちを思い出しながら記憶の隅に眠る音、内側を作る本の言葉を集めたい。

夏が終わって

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夏の収穫はバッタ一匹、トンボ一匹、しおからトンボ二匹、糸トンボ一匹、蝉一匹でした。ばっさばっさ一諸に草はらを歩く。しげった雑草のすきまからぴょんとバッタが飛ぶ。

「ほれほれいたよ」と指差すとVはすぐにわかって網を落す。

それから注意深く虫かごにバッタを入れる。

草をひとかけらちぎって入れ「これを入れるとバッタが安心するんだよ」と言うとかなり納得している。「もっと入れよう」と、言って草をちぎって入れている。あとでここの庭をきれいに掃除してバーベキュー出来るようにしようか、と言ってみた。

Vは「でも」と言った。

「そうしたらきっと虫がいなくなるよ」

「そうだね」と私も言った。

草がざあっとゆれる。

Vは「虫がいてくれて採ることが出来て感謝してるんだよ。ありがとうって思っているよ」

と言ったのでわたしは泣きそうになった。雑草だらけで良いと言うVの気持ちは昔、草はらを駆け回って遊んだ昭和の時代の少女のそれと似ていた。

でも、秋のコスモスがゆれているのもいいな・・・言葉にはせずに胸の中にそっとしまった。